結心道とは

結心道への想い

私たち「前結び宗家 きの和装学苑」では、一人でも多くの方が自分できものを着られるように活動を行っています。

前結びという着装法を知った多くの方が「自分で普段からきものを着られるようになり、嬉しい」という便りを頂き大変嬉しいことです。

しかし、まだまだの感があります。

 

日本全国には昔からきものの産地が多くあります。

最近はきもの離れが進んでいるようですが、きもの愛用者はたくさんおり、機会があれば普段でも着たいと思われている方も多いようです。

しかし、きものを着るには不慣れで、特に帯を結べないかたが多いようです。

私どもの結心道では、その難しいと思われている帯結びを中心に帯の楽しさを表現し、結びの心を以て和文化の継承や、人格形成の一助になることを願っております。

結ぶという字は糸偏に吉

「結婚」や「縁結び」、「結びつき」など、結ぶという字は吉事に多く使われているようです。

私たちが行う「結(ゆい)」には、2つの考え方があります。

1つ目は普段の着装の中で、私たちが授業で伝授しています帯結びの方法です。二重太鼓や角出し結び、振袖に結ぶ変わり結びなど、基本の帯結びです。

この基本の帯結びを正しく伝え、きものの楽しさを一人でも多くの方に知ってもらいたいものです。

2つ目はその基本の結び方を中心にして、各個人の感性による「結art(結アート)」です。

人それぞれの感性には違いがありますし、その日の体調や天候によっても物の捉え方が違います。

帯を結ぶという動作によって自分を表現する。

まさしく結びの心を通して、和の心やその人なりを伝えていくことになると考えます。

教育課程の中の結

昨今の日常の生活の中でいろいろな事件、事故が発生しています。

帯を結ぶという行為を通し、子供と親、そして祖父母との繋がりを密にすることの1案となるのではないかと考えております。

ある中学校の文化祭で「結心道・結展」を開催した時のことです。

中学3年生の1クラスの子供たちを中心に、母親や祖母の帯を持ってきてもらい、私たちが「結」の心を以て指導し、帯の作品を一緒に制作するという取り組みを行いました。

当日、どのようなことが起こったでしょうか?

両親も祖父母も子供の作品を見るために文化祭へと足を運び、子供たちも男女関係なく、又クラスも関係なく、一日笑顔の中に一時を過ごしました。

学校関係者(特に担任)の笑顔が印象に残っています。

親と子、孫と祖父母......考えさせられる光景でした。

結ぶということの意義の深さを実感させられた一日でした。

「たかが帯結び、されど帯結び」という文句が頭に残りました。

帯を結ぶということ

生花は美しいです。

しかし、生花は枯れることを前提とした美しさだと私は思います。

日本人(最近は海外の方も含む)には、「わび・さび」を感じる素晴らしい感性があります。

帯を結ぶということは、帯に命を与えていることだと思います。

帯は見方によっては、ただの一枚の布地です。

その布にその人の感性で命を与え、生きた作品が出来上がります。

その日その日のその人の感性で、たった1本の帯が毎日毎日生まれ変わります。

素晴らしいことだとは思いませんか。

今、きの和装の会員を中心に「結心道・結展」を展開しています。

開催場所は公共性のある会館や、美術館、博物館などです。(入場料無料)

一般の方が多く見学にこられ、多くのご意見を頂いております。

嬉しいことです。

 

「結の心を以て道となす」

「結心道」で、いろいろなことに挑戦できる帯結びの可能性をもっと研究し、楽しく充実した人生を歩みたいものです。